はるの詩

職場の図書室で本の整理をしていたら、
こんなかわいい絵本の詩集をみつけました。

 

「はなのこどもたち」

イーダ・ボハッタ 作  松井スーザン 永嶋恵子 訳

 

手のひらサイズの小さな絵本で
開くと、左のページには淡い色でかわいい花の妖精が描かれています。
右のページには妖精たちの詩がのっています。

 

 

ねこやなぎ・やぶいちげ・かぎのはな・すみれ・ヒース・ちいさなはな(りんご)・ふうりんそう の作品が収められています。

 

そのなかで、春の訪れをうたった作品をご紹介します。

 

ねこやなぎ

 

はなたちは うつくしい ふくがすき

はなやかで かおりたかい ふくがすき

なのに ねこやなぎは

なぜ こんなぼさぼさの

はいいろのぼうしを

かぶっているの?

「もうすぐはるだよと

みんなを はやく よろこばせたいから

あったかくなるのを またずに

いますぐ これをかぶって でていくの

 

やぶいちげ

 

 

おおさむい!

はるがくるなんて

どうしても しんじられない

そんなとき

「しんじてる! しんじてる!

と やぶいちげ

そうよ ひかりと はるを

しんじていれば 

ふゆに うちかって

こころのなかではながさく

 

 

これを眺めていたら、昔 集めていたハイクラウンチョコレートに入っていたフェアリーカードを思い出しました。その頃は、ハイクラウンチョコレートはちょっと大人になった感じがする、憧れのチョコだったのです。

フェアリーカードはたくさんの種類があり、植物や昆虫の妖精が緻密なタッチで描かれているものでした。

 

 

詩をよむと「のはらうた」を思い出しました。

 

 

こちらも、手のひらサイズ小さな本。
のはらみんなのだいりにん くどうなおこ さんが、のはらむらを散歩していて、出会った かぜみつるくん、こねずみのしゅんくん、すみれのほのかさん、など のはらむらのみんなが しゃべるたびに、うたうたびに、かきとめておいたものです。

かわいい いきものたちが すなおな言葉でうたっている詩集です。

 

ほんの少し抜粋します。

 

はるがきた 

     うさぎふたご

ももいろの すきとおるみみに 

きこえてくる はるの ひびき

・・・・・

 

おがわのマーチ

     ぐるーぷ・めだか

ツン タタ ツン タ

みずくさ チョン

ぼくら おがわの たんけんたい

・・・・・

 

いのち

    けやきだいさく

わしのしんぞうは

たくさんの

ことりたちである

ふところに だいて

とても あたたかいのである

・・・・・

 

いいことあるぞ

     ぐっどらっく

はるがきた いいことあるぞ

でかけよう いいことあるぞ

こんにちは そこのきみ

 

きみにあえた それがいいこと

 

はるがきた いいことあるぞ

おちゃにしよう いいことあるぞ

こんにちは そこのきみ

 

きみとすごす それがいいこと

 

抜粋した詩には続きがあります。最後までみると のはらのみんなの様子がもっとよくわかります。

 

のはらむらは 天気のよいひもあれば、雨降りの時もあります。
のはらむらのみんなは 
きげんのよいときもあれば、しょげているときもあります。
 でも、変わらないのは いつもだれかがうたをうたっていることです。
 うたは 心や体に よくきくようです。

どうぞ のはらむらに さんぽにおでかけください。
そして、のはらみんなの うたを きいてやってください。

のはらむらのだいりにん  くどうなおこ

 

 

 「のはらうた」は全部で5巻あります。
装丁は、そろぞれ色・柄が違っており、どの巻もかわいくて買うのを迷ってしまいます。私が持っているのは 2巻 むかし、友人が私が欲しそうにしているのを見て、「買ってあげようか?」と言ってプレゼントしてくれたものです。