諸橋近代美術館
美しい庭園、
透き通る水が流れる小川のせせらぎ
水辺に建つ荘厳な西洋の館のよう・・・
諸橋近代美術館は
庭園から磐梯山を臨む
美術館入口手前の清流
コレクション
シュルレアリスムの巨匠サルバドール・ダリの作品346点を収蔵。
ダリ作品を収める美術館としては、ダリ劇場美術館(スペイン)、ダリ美術館(アメリカ)に次いで世界で3館目に開館した。
ダリの彫刻39点は世界でも類を見ないコレクション数で、全体としてもアジア最大級の規模を誇る。
また、西洋近代絵画のコレクションでは、セザンヌ、ルノワール、マティス、ピカソなど印象派以降に活躍した20世紀の巨匠たちの作品を所蔵している。
開館期間・時間
例年4月下旬~11月下旬
・美術館 9:00~17:30
※最終入館は30分前
・ショップ 9:30~16:30
・カフェ 10:00~15:45(LO.15:30)
休館日
12月初旬~4月下旬(例年)
観覧料
一般 個人 1,300円(前売り券1,000円)
一般 高校・大学生 500円
一般 中学生以下 無料
館内へ
ミュージアムカフェ
カフェの窓より
ここから撮影禁止
『ダリの口ひげ』
ダリとハルスマンの共作の写真集に収録された1枚
ダリが水の中に頭を入れて、口から牛乳を吐き出す所を撮影。それを逆さにすることで、まるで口から雲が立ち昇っているかのような本作がうまれた。
サルバトール・ダリ(1904-1989)
20世紀に巻き起こったをシュルレアリスム(超現実主義)を代表する画家。シュルレアリスムとは、アンドレ・ブルトンを中心とする文学・芸術運動である。
「口頭、記述、その他のあらゆる方法によって思考の真の動きを表現しようとする純粋な心的オートマティスム(自動記述,自動現象)。理性による監視をすべて排除し、美的・道徳的なすべてのの先入観から離れた思考のかきとり」と定義した。現実を更に突き進めて濃くしていったもの
シュルレアリスムの有名な画家は
ダリ、マグリット、エルンスト、ミロがいる。
ハルスマンとダリ
フィリップ・ハルスマン(1906-1979)
ハルスマンが撮影した写真はアメリカの雑誌「LIFE」史上最多となる101回表を飾り、オードリーヘップバーンやマリリン・モンローなど多くの著名人をカメラに収めた。一方、ハルスマンは1941年にサルバトール・ダリと出会い、そこから37年間にわたり革新的で遊び心溢れる共同作品を生み出していった。
コンピューターのフォトレタッチ技術が存在しなかった時代にありながら数多くの革新的な写真表現を開拓して見る者を驚かせた。
ダリがデザインした包み紙
展示物ではありません。
『記憶の固執』1931
ニューヨーク近代美術館に収蔵されている、ダリの代表作。
『サルバトール・ダリ』1954
直立して警察官みたいだと言ったダリ、ハルスマンは構図を斜めに傾けて編集
DALI mo (館内パンフレット)より
『ダリ・アトミックス』1948
ハルスマンの合図に合わせて助手たちがバケツの水、猫を放り、ダリが跳ね、ハルスマンはシャッターを切る!
失敗すると、床を拭き上げ、猫に鰯を与えてなだめる、という地道な苦労を重ね、26回繰り返し、完成したのがこの作品。
展示では、失敗に終わった写真も数枚あり、この一枚を撮るのにいかに大変だったかを物語っていた。
日本への原爆投下による驚きと、恐怖
私が最も感銘を受けたのは、ダリが1945年日本への原爆投下を知り、驚きと恐怖を感じた、ということだった。
それは、被爆した広島と長崎の悲惨な現実を知ったからということではなく、一つの物質が別の物質に変わるのが爆弾投下というリアルなできごとの中で起こったからだった。
世界中の原子が崩壊して全てがばらばらになるのではないかとさえ思ったという。その恐怖は現代の日本に生きる私より、よりリアルに感じているという事実だった。
ダリの作品はシュルレアリスムというより、ダリ本人にとってのリアリズムだったのだろう。
原爆投下後、ダリは、科学、とくに原子物理学に関心を深め、その理論を絵画に反映させ、さらにシュルレアリスムと決別し、神や科学などの絶対的な力を自己の内面に感じることを目指した。