本の紹介

人間は死んだら終わりじゃない。
人間としてどうあるべきかの道しるべ。
みんなずっと繋がっている。

 

自分を生きればいいんだ、それだけでいいんだ とふっきれた特別な一冊

さざなみのよる 木皿泉 著

ナスミ という名前だけは鮮明におぼえていました。とにかく生き方=死に方がすごくかっこよかったから…

その後、本の題名も著者名もすっかり忘れていたのですが、「昨夜(ゆうべ)のカレー明日(あした)のパン」を読んで好きになった木皿泉さんの棚を本屋で見て何となく購入したのがこの本でした。

あらためて読み進めると 「ナスミ?え?もしかして?」そうあの、かっこいいナスミさんでした。

ナスミさんは、第1話で亡くなってしまいます。第2話からナスミさんと関わった人たち、それぞれが主人公となります。それぞれの人生の苦いエピソードに、ナスミさんは登場しています。自分の正義と責任で行動し、裏切られても愚痴も言わずに受け入れている。そんなナスミさんは人々の心の深いところでひかり輝いています。とても優しくあったかく。

 

「おんばざらだるまきりくそわか」心がざわざわする時、とりあえず唱えてみる。そうすると楽になるという。
「生きとし生けるものが幸せでありますように。」

 

この本は「富士ファミリー」という名でテレビドラマ化されています。

こちらは小泉今日子さんがナスミ役で片桐はいりさん 薬師丸ひろ子さん 三村里江さん 仲里依紗さん 高橋克実さん 吉岡秀隆さん等 個性豊かな俳優さん方が出演しています。

本とは違った印象を受けましたが、笑いあり涙ありのとても楽しいドラマに仕上がっています。特に片桐はいりさんが演じた笑子ばあさんが強烈で、おもわず声を出して笑ってしまいました。その笑子ばあさんが、「私、何もできないんです。」と心配している、お嫁さんの愛ちゃんに向かって「何も出来なくてもいい。機嫌よく暮らしてくれればいい。それが75年生きてきた私の結論」と言っていました。

 

富士ファミリーが気に入った方は、こちらも是非ご覧ください!

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